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"査察機長"

  • Posted by: 電脳あざらし
  • 2009年9月25日 00:59
  • Book

"査察機長"を読んだ。著者は内田幹樹氏。ANAで機長を務めていたほか、フェアリンク社でも機長を務めていた方である。

さて、"査察機長"という用語は聞き慣れない方も多いかと思うが、機長を審査する機長である。国土交通省から権限を委譲されている存在であり、要するにエライ、と書きたいところだが、査察機長は査察機長でその権限ゆえにいろいろと苦労があるようだ。(本文中にもそのような記述がみられる)

ストーリーとしては、成田(NRT)-NY(JFK)で行われる査察フライトの物語である。比較的新人の部類に入るB747-400機長の村井(往路で査察を受ける機長)、査察機長の氏原、ベテラン機長の大隅(復路で査察を受ける機長)の物語で、パートごとに、村井視点と大隅視点で記述が変わる。
内田氏のデビュー作のようなミステリーと言うわけではなく、査察を受ける村井、査察をさりげなくサポートする大隅の査察フライトの様子を、フィクションでありながらノンフィクションに近く描いている。例えば、ユナイテッド航空だとかスターアライアンスだとかANA社内用語だとかが前面に出ていて、フィクションにしてはちょっと珍しいかもしれない(普通なら出てくる航空会社を全て仮名にしている場合が多いでしょ)。もっとも面白みはそこにあるのではなく、新人機長の村井の査察フライトでの心理的緊張感などは、こちらがハラハラするくらいだし、ベテランの大隅機長の何気なく余裕な様子など描き分けがきっちりできているので非常に楽しい。

おまけに、成田離陸前からNY(JFK)着陸までの様子が緻密に描かれていて、1航空ファンとして楽しく読んだ。とにかく、元機長が書いているので、航空ファンなら一度読んでおいて損はないと思う。もちろん、一般の人にとってもコックピットという密室でどんなことが行われているのか、真剣な面もちょっと笑っちゃうようなところまで書かれていて興味深い。

なお、内田氏によるエッセイ集も出ていてこちらもオススメ。

査察機長 (新潮文庫)
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starsフライトの様子を二人の視点から
stars飛行機の中で読むと臨場感満点
stars査察の意義とは何か
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機長からアナウンス (新潮文庫)
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